近頃、『スズメがツバメの巣を乗っ取っている』という報告がチラホラ上がってきています。ツバメは渡り鳥ですから、ツバメがいない間にスズメが巣を乗っ取ってしまうってケースですね。そうなりますと、戻って来たツバメはもうその巣では生活できません。

毎年、巣立って行ったツバメが戻ってくるのを楽しみにしている人も多いと思われます。それが、スズメに乗っ取られてしまったら・・・・・。そう言った場合、人間としてどう対応するのがベストなのか。なかなかに悩ましい所。

何故、ツバメの巣が『スズメ』に奪われるのか?

これは『ツバメの巣』ではなく、『スズメバチの巣』ですが(笑)。

スズメがよく巣をつくるのは、昔ながらの日本家屋である『瓦の隙間』や『屋根の隙間』など。ちょっとした空間に巣を作ってツバメ同様に子育てを行っているようです。

ところが、現在の家屋は洋式と言いますか、『昔ながらの瓦屋根の家』などはだんだん減ってきてしまいました。また、私の家などでもそうなのですが、ちょっとしたスキマなどがあるとイタチなどが入り込んでしまいます。そのため、そもそもスキマのようなものが出来ないように作られています。その為、スズメにとっては巣をつくりにくい環境になってきてしまっているんですよ。

そこでスズメが目を付けたのが『ツバメの巣』というわけです。近年、こういった『スズメによるツバメの巣の乗っ取り事件?』が多くなってきているというわけです。

何故、ツバメの巣が狙われるのか?

先ほど説明した通り、スズメにとって巣をつくりやすい環境が減ってしまいました。そんなスズメにとって『ツバメの巣』はなかなか住みよさそうに見えたんでしょうね。

一番の理由は『乗っ取りやすかった』という事にあると思います。もともとツバメは『渡り鳥』です。春や夏は結構飛び回っていますが、秋になりだんだん寒くなってくると日本から離れて行ってしまいます。日本が冬の時は日本から遠く離れた東南アジアあたりにいるんですよ。そういった温かいところで過ごします。そして、また日本が温かくなり始める春ごろに、日本に戻ってくるというわけです。

つまり、『冬の間、巣が空っぽ』というわけです。

ツバメが渡り鳥であるのに対し、スズメは一年中そこにいます。移動しません。ツバメがいない間に、スズメがツバメの巣に住み着いてしまうんですね。それが『乗っ取りスズメ』が誕生してしまう理由なんです。

スズメにしてみれば『便利なところがあったから活用しています』と言ったところでしょうか。ツバメにしてみれば『乗っ取られてしまってる。仕方がない、別の所に巣をつくるか』といったところ。スズメが悪いとは言い難い所かなと思いますねぇ。

基本的に、ツバメは巣を乗っ取られたとしても問題はありません。また別の所に巣をつくるだけです。ツバメにしてみれば、巣をつくる場所はそんなに困らないと思います。壁に泥をくっつければ巣の完成ですから。

屋根さえあれば、大抵、どこにでも巣を新しく作れるはずです。

スズメは可愛いけれど害鳥?

『ツバメ』は穀物を食べません。そして、困った存在である『害虫』を食べてくれます。人間から見れば、とても可愛い存在であり、とても役に立つ存在なんです。毎年、春になってツバメが子育てをしている光景があれば、皆を笑顔にしてくれますよね。

では『スズメ』はどうなのか? 実はツバメは雑食であり秋になれば穀物を食べてしまいます。そういったところは困ったところ。もちろん、害虫も食べてはくれます。問題ばかりというわけではありませんが・・・。

田舎に住んでいる方ならよく目にすると思うのですが、田んぼの中にこのような『目玉』の風船を見たことがあると思います。これは害鳥対策です。穀物を食い荒らす害鳥を寄せ付けないようにするためにこういったものを使っているんですね。一種の『案山子(かかし)』です。では『害鳥』といったら何になるのか? それはやはり『スズメ』になってきます。スズメはどうしても農家の方々にとってはありがたくはない存在なんですよね。

とは言っても、スズメがいなくなってしまっては、生態系が変わってしまって、大変なことが起こるかもしれません。

人間はスズメとどう向き合うべきか?

今から60年ほど前の1958年の毛沢東時代の中国。毛沢東はスズメを害鳥として駆除するように命令しました。そうすることで、中国全土から多くのスズメが姿を消してしまったんですね。

では、その結果、どうなったのか?

スズメがいなくなってしまったことで、『イナゴ』が大量発生してしまったんです。イナゴはスズメよりをはるか上回る勢いで農作物を大量に食い荒らしてしまったんです。その結果、中国全土が飢餓に陥ってしまい2000万人もの方が飢えで無くなられてしまったと言います。

人間は、多少スズメに不満があったとしても、実は見えないところでとても役に立っている一面があるってことですね。悪い所ばかり見て対応していると、思わないしっぺ返しが帰ってきます。毛沢東の話はその良い例です。

スズメもツバメに負けないくらい可愛い存在だと思いますよ。スズメがツバメの巣に住み着いたとしても、ツバメはまた別の所に巣をつくることができます。『スズメも可愛いな』くらいでしばらくは見守っていくのが良いと個人的に思います。