(この記事は未完成です。2021年8月末に完成予定となります。)
1985年にフジテレビで放送された世界名作劇場のアニメ『小公女セーラ』。とても人気の高い作品ではありますが、作中のいじめが酷く見るのが心苦しい作品でもあります。
この記事では『小公女セーラがどういった作品であったか』を中心に個人的な感想を書いていきます。視聴するか否か悩んでいる方は参考にしてください。
なお、当ブログ主は『dアニメストア』というアニメ視聴サイトで視聴しました。月々440円で数千種類のアニメが見放題のサイトです。
目次
小公女セーラのあらすじ(全46話)
ここでは『小公女セーラ』の大まかなあらすじをご紹介していきます。
なお、この作品は西暦1885年のイギリスのロンドンを舞台にした話です。だいたい一年間ほどの内容で、第1話が1月頃、最終話が12月頃だと思います。
◆1~2話
主人公のセーラ(10歳)はインドで暮らしていたイギリス人。母親は幼い時に亡くなっている。お父さんと一緒にイギリスロンドンにやってきて、セーラは寄宿学校の『ミンチん女学院』に入学することになります。
お父さんはこの2話でのみしか登場しません。
◆3~10話
セーラは大金持ちの子供であるという事で学校では特別扱いになります。それが気に喰わない代表生徒の『ラビニア(13歳)』。ことあるごとにセーラやその友達に意地悪なことをしてきます。
◆11話
セーラの父親が莫大な借金を抱え、しかも病気で亡くなったという連絡が入ります。セーラの為に多くのお金を費やしてきた『ミンチン先生』は大激怒。意地悪な『ラビニア』はニンマリ。
身寄りがなくなったセーラはどこにも行く当てがありません。ミンチン先生はセーラを追い出したかったのですが、そうなると世間から厳しい批判を受けかねません。そこでセーラを『メイド』として働かされることにします。
◆12~29話
ここからセーラの辛い辛い生活が始まります。
【セーラの味方:4人】
・ベッキー・・・10歳。女メイド。常にセーラを助けてくれる。
・ピーター・・・10歳?。街の少年。買い物の時にセーラを助けてくれる。
・アーメンガード・・・10歳?。セーラの親友だが気が弱くあまり助けにならない。
・ロッティ・・・4歳。『セーラママ』と呼びセーラを慕っている。
【セーラの敵:6人】
・ミンチン院長・・・セーラを常に悪く評価し、厳しく対応する。
・アメリア先生・・・ミンチン先生の妹、セーラに同情しているが助けない。嫌なことはしないので敵ではない?
・ジェームズ・・・40歳前後?。男コック。モーリーとは夫婦で性格が悪い。
・モーリー・・・40歳前後?。女メイド長でセーラとベッキーの上司。常に2人をこき使う意地悪な性格。
・ラビニア・・・代表生徒。13歳。セーラを執拗にいじめる。最悪の敵。
・ジェシー・・・13歳。ラビニアの取り巻きで意地悪。
・ガートルート・・・13歳。ラビニアの取り巻きで意地悪。
◆30~42話
お隣に『インドの経営者』が引っ越してきます。視聴者目線では『セーラの父親の共同経営者(クリスフォードさん)』であることがわかるのですが・・・・・。クリスフォードさんも『ラルフの子供であるセーラ』を弁護士を使って探しているのですが見つけることができずにいます。隣に住んでいるというのに。
◆43~46話
『43話』でセーラの元に豪華な服が贈られてきて以降は風向きが変わります。そして『44話』でセーラとクリスフォードさんが出会い、セーラはダイヤモンドプリンセスに返り咲くことになりました。
最終回を『考察』
貧乏な生活から大逆転! セーラはダイヤモンドプリンセスとして大金持ちになりました。そんなセーラは最終回にどういった結末を迎えるのか?
学院に『10万ポンド』を寄付
ミンチン院長はセーラに対してかなりヒドイことをしてきました。最終回、セーラはミンチン院長にどのような復讐をはたすのか・・・・・と思っていましたが、なんと『10万ポンド寄付』するという謎の選択をします。ミンチン院長が驚くくらいなので相当な額なのでしょう。
しかし、納得できません。あれだけヒドイことをしてきたミンチン院長に『寄付』だなんて。幼児向けアニメであるため甘く表現されているのだろうとは思いますが、原作の小説でも特に復讐する話はないと聞きますし。う~ん・・・・・。
ちなみに『10万ポンド』って幾らくらいになるんでしょうね?
◆『4ペンス』でパンを4つ買える金額(23話)
◆『1ポンド』=『100ペンス』
『1ペンス=100円』だとすると『1ポンド=1万円』となります。『10万ポンド』となりますと・・・・・『10億円』ですか。10億円も寄付となりますと、確かにミンチン院長も卒倒ものでしょう。
しかし、こんな意地悪なキャラにこれだけの寄付をしても良いのでしょうか!? 『因果応報』を完全否定してしまっており、子供の教育にもよろしくないように思えます。
『ベッキー』はセーラの専属メイドに
いつもセーラの事を助けてくれていた『ベッキー』は、クリスフォード家に引き取られ『セーラの専属メイド』という立ち位置として働くことになりました。これで過酷な労働から解放されるでしょうし、お給金も高額になることでしょう。
ちょっと気になったのが『ベッキーは生徒にはならない』というところ。同年代なわけですから、セーラなら『ベッキーも教育を受けた方が良い』と判断すると思うんですけどね。
確かベッキー初登場時に『字が読めない』という話がありましたね。いきなり生徒になってもついていけないでしょうから、クリスフォードさんの家で家庭講師から勉強を教えてもらっている、という設定になっているのかもしれません。
とは言え、『30話』にベッキーがセーラへ手紙を書くシーンがあります。読み書きくらいはできるようセーラが教えていたのだと考えられますが、一体いつの間に勉強したのやら。原作ではベッキーは孤児だそうですから『29話』の『里帰り』の話は存在しないと思います。『ベッキーは字が書ける』というのはオリジナルストーリーを入れたことによる製作者側のミスかもしれません。
パン屋の話
『23話』でパン屋の話がありました。『セーラがお金を拾う→お金でパンを買う→孤児の女の子にパンを4つ与える』という話でした。その後、パン屋のおばさんが『孤児の女の子(アンネ)』を引き取ったのではないかなぁという雰囲気で終わりましたが、その時はハッキリとしたことは描かれていなかったんですよね。
その話しが最終話の『46話』で登場。やはりおばさんは『女の子(アンネ)』を引き取りパン屋で働かせていました。身なりもちゃんとしており、大事に育てられているんだなぁという雰囲気です。
とは言え、『23話』で1回だけ登場したキャラが『46話』に登場しても多くの方は覚えていないのではないでしょうか。私も『え・・・誰?』ってなってしまいましたよ。例えば、セーラが『23話の過去のシーンを思い出す』ところを入れていれば視聴者にとってはわかりやすかったんじゃないかなという気がします。
辞めさせられた『デュファルジュ先生』
セーラに良くしてくれた人物の一人であるフランス語教師の『デュファルジュ先生』。セーラが貧しくなって以降もセーラに良くしてくれるとても素晴らしい先生でした。
しかし・・・・・デュファルジュ先生はラビニアの陰謀で学校を辞めさせられ、故郷に帰ることになってしまいました。
最終回でどのように描かれるのかなぁと注目していたのですが・・・・・『回想シーン』に登場するだけで終わってしまいましたね。ちょっと寂しいです。せめて、『セーラがデュファルジュ先生の故郷へお礼に行った』くらいのワンシーンがあっても良かったのではと思えます。
小公女セーラを『考察』
ここではアニメ『小公女セーラ』の詳しい内容や個人的に思ったことをまとめていきます。
セーラの家族
『父親』はアニメの1~2話に登場。その後、『11話』にて『インドで病気になり亡くなった』という連絡が入るため登場することはありません。
『母親』はセーラが4歳の時に亡くなっています。『30話』にセーラが母親のことを思い出すシーンがあります。金髪の長い髪でとても優しそうな女性です。
セーラのお人形『エミリー』
『2話』でセーラが手に入れる『エミリー人形』。
洋服店の店主
『しかし、嬢さんは御目が高い。
このフランス人形はジェモーが残しためったに手に入らん最高傑作ですぞ。』
どうやら『ジェモー』という人物は本当に実在した方のようです。とは言え『最高傑作』は言い過ぎではないでしょうか。高級店とは言え、洋服店の主人が最高傑作を所有しているとは考えにくいですからね。
『ジェモーの人形』がどういったものなのか気になる方は検索して確認してみてください。結構色々とヒットしますよ。
『エミリー』のピンチ
『11話』でセーラは破産してしまい、家財道具や服など所有しているもの全てを失うことになってしまいました。
そんな中、セーラの手元に残ったのが『エミリー人形』と『家族の写真』です。人形だってそれなりの金額で売れるでしょうに。それを奪わなかっただけでも『弁護士』や『ミンチン院長』は良心があったと言えそうです。・・・・・まぁ、価値が無いと判断されたってのが正解だとは思いますが。
しかし、『24話』になってピンチを迎えます。意地の悪い代表生徒『ラビニア』が『私の誕生日プレゼントとしてエミリー人形を渡しなさい』などと言い出してしまったのです。セーラは立場上拒否することができずに・・・・・という絶体絶命のピンチでした。
そのピンチを救ったのが4歳時の『ロッティ』です。『エミリーを取っちゃダメよ!』と言ってラビニアに抗議します。それをきっかけに、アーメンガード、そして他の生徒たちもラビニアに抗議し、エミリー人形はセーラの元に戻ってくることになりました。ロッティ、グッジョブです。
『他の生徒たち』って一度もセーラを助けたことが無いという印象でしたが、こういう場面を見ると、多少なりとも『セーラの事を気にかけていたんだな』と思えますね。
作中における『ベッキー』の評価が低い
EDで『キャラクター』と『声優の名前』が書かれてありますが・・・・・『ベッキー』の書かれてある順番がとても低く、見るたびに疑問を感じてしまいます。
【並んでいる順番】
・セーラ(主人公)
・ミンチン院長(意地悪な先生)
・ピーター(街の買い物の手伝い)
・ラビニア(意地悪な代表生徒)
・ロッティ(4歳の子)
・アーメンガード(セーラの親友)
・ジェシー(ラビニアの取り巻き1)
・ガートルード(ラビニアの取り巻き2)
◆ベッキー◆
・アメリア(ミンチン先生の妹)23話ラビニア下
・モーリー(女メイド長)
・ジェームス(コック)
時々異なることがありますが、だいたいこの順番です。
『ピーター』はそこまで重要なキャラでは無いと思うのですが、必ず『ラビニアの上』になっています。ラビニアまでの4人が不動の地位です。
4歳の『ロッティ』が何故『アーメンガード』より上なのかも謎です。まぁ、奥手のアーメンガードよりは頼りになるキャラかなとは思えます。
一番驚いたのは、ラビニアの取り巻きでしかない『ジェシー』と『ガートルード』よりも『ベッキーが下』というところ。納得できません。
可哀そうな『アメリア先生』
『26話』にてミンチン院長は『将来、セーラに教師をやらせれば、他の先生を雇う出費を抑えられる』という計画を語ります。それを聞いて、妹のアメリア先生は・・・・・
アメリア先生
『では、お給料も払わずに?
可哀そうに・・・一生タダ働きなんて・・・・・
あたしと同じだわ・・・・・』
さすがに『タダ働き』ってほどではないと思いますが、アメリア先生も相当ひどい労働条件で働かされているのだろうと考えられます。ちょっと可哀そうなんですよね。
セーラが不幸になったのは『代理人の弁護士』の責任!?
『19話』で代理人の弁護士であった人が『父親』に関して結構重要なことを話しています。
・昔の親友に騙されボロ鉱山にお金をつぎ込み破産してしまった
・ボロ鉱山に入った父親は熱病にかかり3日で亡くなった
つまり、父親が破産してしまったのは『親友の共同経営者』に詐欺にあってしまったことが原因であるとセーラに話しているんですね。
とは言っても、この弁護士も詳しいことを知っているわけではありません。インドは遠く、手紙のやり取りだけで50日もかかってしまうからです。そのため、弁護士は情報のやり取りを諦めてしまいました。
・・・・・ある意味、これがセーラが不幸になってしまった最大の原因だと思われます。
後でわかることですが、『父親の共同経営者』は悪人ではなく、ちゃんと会社を立て直して大成功をおさめていました。そして、亡くなった父親の娘であるセーラを探していたんです。亡くなってしまった父親の代わりにセーラの面倒を見てあげる気だったんですね。
しかし、『代理人の弁護士』が全てを放り投げて諦めてしまいました。そのため、セーラがどこにいるのかわからなくなってしまい、『共同経営者』はセーラを自力で探さなければいけなくなりました。『代理人の弁護士』がしっかりとした人であったなら、セーラは辛い生活を送らなくて良かったのではと思えます。
なお、『代理人の弁護士』は『19話』以降登場しません。
『インド』に送った手紙は意味が無い
セーラは『19話』でインドに手紙を送ることにします。父親に『共同経営者』がいたため、その人がどうなっているのかを調べるためです。送る相手は『インドの警察署』。警察なら何か知っているかもしれないと判断したからです。
そして、インドの警察から返事が来たのは、なんと最終回目前の『45話』でした。手紙の内容は・・・・・
・父親の親友は『クリスフォード』という名前
・クリスフォードによる資金の穴埋めで破産は免れている
・鉱山は素晴らしい業績を上げている
・クリスフォードは後継ぎ(セーラ)を探すためイギリスに行っている
しかし、この手紙が届いた時点で、すでにセーラは『クリスフォードさん』と出会い、手紙に書かれてある内容は全て知っています。まったく意味のない手紙になってしまっているんですよね。
父親の共同経営者『クリスフォード』さん
父親の共同経営者である『クリスフォード』さんは父親と元同級生の『30歳代』だそうです。作中の見た目は50歳以上って感じなのですが。
車いす生活しているのは、インドで病気になったことが原因だとか。おそらくセーラの父親と同じ『熱病』にかかり、父親は亡くなったけど、クリスフォードさんはなんとか助かったと言ったところだと思われます。
・クリスフォードさんのせいでラルフ(セーラの父)は破滅
・ラルフは熱病で死亡
・クリスフォードさんの資産の穴埋めで破産は免れている
・経営は持ち直して上手くいった
・ラルフの死は自分の責任だとクリスフォードさんは心を痛めている
・『ラルフの財産』と『クリスフォードの財産』はラルフの娘に譲る考え
『32話』でこのように語られています。
なお、クリスフォードさんは独身であるため妻も子供もいません。ですから、セーラは事実上の『養子』ということになるのでしょうね。
幼い『ドナルド』と『ジャネット』
作中、時々街中に現れる『ドナルド(弟)』と『ジャネット(姉)』の2人。クリスフォードさんの親戚なのかなぁと思っていましたが、どうやら『カーマイケル弁護士の子供』ってだけのようです。
クリスフォードさんがセーラを探すために雇った人物が『カーマイケル弁護士』で、その関係で『夫人』と『子供2人』が登場しているって感じみたいですね。
(『18話』『32話』『43話』『44話』『45話』に登場)
セーラを苦しめたキャラ『トップ3』
◆3位:モーリー
セーラの直属の上司である女メイド長の『モーリー』。自分が楽をするためセーラやベッキーをこき使ってきた。
モーリー
『院長先生の命令でやらせていただけだよ。悪く思うんじゃないよ。』
(他人事)
◆2位:ミンチン院長
セーラを貧しい立ち位置に落としこき使う。何かあれば常に『セーラが悪い』という扱い。
ミンチン院長
『私が・・・私がバカだったのよぉ・・・ぅぅぅ・・・』
(完全敗北)
◆1位:ラビニア
意図的にセーラを苦しめ続けてきた。セーラを不幸にするために登場していた様なキャラ。
ラビニア
『アメリカ大統領夫人になって戻ってくるわ!』
(まだまだやる気)
小公女セーラ裁判、最終的に得したのは誰か?
父親が亡くなって以降、セーラは多くの人たちに苦しめられる一年間となりました。ダイヤモンドプリンセスに復活して以降、果たしてセーラはどのような判決を下したのか? 検証してみようと思います。
◆ジェームズ、モーリー夫婦
【内容】
コック・女メイド長として、最も多くの苦しみをセーラに与えてきました。院長先生の命令であったとしても、確信犯的にセーラを苦しめてきたのは間違いありません。
【判決】
無罪。セーラは何ら復讐を行いませんでした。
◆ラビニア
【内容】
セーラを呼びつけてはイジメ続けてきた悪役キャラNO.1のラビニア。セーラだけでなく、声優としてラビニアを演じていた山田栄子さんをも苦しめたと言われています。
【判決】
無罪。セーラは苦言を言うこともなく、普通にクラスメートとして接します。
◆パン屋のおばさん
【内容】
『23話』でセーラにパンを5つ売ったおばさん。孤児の女の子を引き取ったくらいで、セーラに対して直接的に何かをしたというわけではありません。貧しそうだったからパンを1つオマケしてあげたくらいでしょうか。
【判決】
『お腹を空かせている子供がいたら毎日パンを与えてほしい』『お金は全てクリスフォードさんが支払う』ということになりました。沢山の貧しい子供たちが毎日集まり、パン屋は大儲けでしょう。1日3万の利益として、月に100万円の利益、一年で1200万円の利益、10年で1億2000万円の利益・・・・・といったところでしょうか。
◆ミンチン院長
【内容】
セーラを苦しめた諸悪の根源。ミンチン院長がセーラに対して優しい対応をとっていればセーラは周りからイジメられることもありませんでした。
【判決】
寄付10ポンド(推定10億円以上)。セーラから10万ポンドの寄付を受け取ることになります。これで学校経営は楽になるでしょうし、優雅な生活を送れることになりました。納得できません。
◆ベッキー
【内容】
セーラがメイドとしてこき使われるようになっても、常にセーラを助けてくれました。
【判決】
『セーラの専属メイド』になる。
実家が借金をしているようですが、おそらくセーラが肩代わりしたと思います。祖母が神経痛とのことですが名医に見てもらって治ったでしょう。立派な家を建ててもらい、弟と妹は学校に行かせてもらっているはずです。
ベッキーも常にセーラの元で良い食事を与えられ、良い環境で生活しているものと思われます。セーラが行くところであればどこにでもついていくでしょうから、世界中を旅することができるようなものです。給金もおそらく破格。実質100万ポンド以上の稼ぎと生活を送れるものと思われます。